嘴
|
ミネラル |
有機物 |
|||||
炭酸 カルシウム |
カルシウム |
ハイドロキシ アパタイト |
ケラチン |
コラーゲン |
キチン |
その他 |
|
鳥の嘴 |
|
○ |
|
○ |
|
|
|
牛、羊、山羊 などの角 |
|
○ |
|
○ |
|
|
|
鹿の角 |
|
|
○ |
|
○ |
|
|
骨 |
|
|
○ |
|
○ |
|
|
歯 |
|
|
○ |
|
|
|
○ |
貝殻 |
○ |
|
|
|
|
|
○ |
甲殻類の外骨格 |
○ |
|
|
|
|
○ |
○ |
昆虫の外皮 |
|
|
|
|
|
○ |
○ |
嘴 |
体重を軽くするため、鳥には歯はない。 人の場合、骨の比重は1.92〜1.99だが、歯の比重は2.1〜2.9もある。 |
|
顎骨を薄い真皮が覆い、間には血管と神経が通う層がある。 さらにその外側はケラチン質で被覆されている。 ケラチンは蛋白質の一種で、シスチンというアミノ酸が主成分。 伸び続けるので磨り減ることは無い。 鳥は歯が無く、嘴が歯と唇の役割をしている。 前肢が翼となっているため、手の役目もする。 そのため、嘴には感覚細胞や血管が豊富に分布。 |
||
磨耗しても再生する。 先端が折れても再生する。 |
||
多孔質で空気をたくさん含んだ構造なので、大きな種でも軽い。 20cmもあるオニオオハシの嘴は15g弱。 上嘴は頭骨と癒合。 蝶番式につながり、二重の大きく裂ける関節から成っている。 そのため、大きな魚も丸呑みできる。 また、ウトウなどが小魚を何匹も咥えていながら、さらに咥えることができる。 哺乳類と異なり、口を開くとき下顎だけでなく、上顎も上方に開く。 |
||
細長い |
昆虫食、花蜜食 |
|
円錐形 |
種子食 |
|
扁平 |
藻類などをこして食べるカモなど |
|
鉤型 |
肉食の猛禽類 |
|
繁殖期には生殖腺ホルモンの作用で変色したり、付属物が生じたりすることがある。 |
||
体温を下げるのに嘴が有効。 気温の高い地域の鳥は嘴が大きい傾向がある。 |
触覚定位 |
嘴の触覚によって餌を探す方法。 嘴を開いて水中に差し入れたり、左右に振ったりして、 嘴に餌動物が触れると、瞬間的に嘴を閉じて捕まえる。 濁った水中、泥の中、植物が密生した場所、夜間での採食を可能にする。 シギ類、コウノトリ類、トキ類、ヘラサギ類などで知られる。 |
嘴端開閉 したんかいへい |
メジロやシギ類、カモ類、ウ類の上嘴には支えになる骨が先端まで通じ、嘴の元を閉じたまま、先端だけを開閉できる。 |
セグロカモメなど、嘴の下にある赤い斑点は雛がつつく目印になっている。 親鳥は雛につつかれると餌を吐き出して与える。 |
ろう膜 |
タカ類、ハト類、オウム類などの上嘴基部を覆う柔らかで、 多少とも肥厚し、裸出した皮膚。 触覚小体が分布している。 ハトのろう膜はやや隆起し、内部は海綿状になっている。 セキセイインコの♂では青、♀は褐色。 ♀のろう膜を青く塗ると♂に攻撃される。 |
イスカ |
先端が交差した嘴を横に動かし、てこの原理で裸子植物の球果をこじ開け、中の種子を舌で抜き出し、まだ青いうちに食べる。 嘴が右に食い違う個体群と、左の個体群とがある。 この差異は採取する球果の鱗被が時計回りにねじれているか、逆周りにねじれているかに関連している。 左側で交差する個体は反時計回り、右側で交差する個体は時計回りで種子を取り出す。 雛の嘴はねじれていない。 嘴は使っていくうちにねじれるので、巣立ち後一週間ほどして、餌を自分で採るようになってからねじれる。 舌もそれに適応した形になっている。 普通の鳥は嘴を上下だけに動かせるが、イスカは上下だけでなく、左右にも動かすことができる。 顎の筋肉は嘴を横に動かせるよう非対称になっている。 下嘴の曲がっている側の筋肉がより発達している。 下嘴だけが曲がる。 曲がっているのは下嘴の先の嘴鞘だけで、骨は曲がっていない。 下嘴が右に曲がった個体はマツカサを右脚で押さえ、左の個体は左脚を使う。 マツカサをしっかり押さえるよう、脚は強く大きい。 昆虫などをついばむことはできないので、雛のときから一生を通じて種子食。 松や杉類は種子の実り具合が年により、また地域により異なる。 そのため同じ地域に留まって生活することが難しい。 食料の豊富な地域を求めて絶えず移動する。 豊富な食料が刺激となって繁殖が開始される。 食料が豊富であれば、冬でも繁殖する。 冬に繁殖した場合、親が不在になると雛の体温は低下するが、ヒナは一時的な冬眠状態になる。 カエデなどの種子や新芽を食べることも。 虫こぶの中から、寄生している昆虫の幼虫を掘り出すことも。 |
|||
大型種 |
ハシブトイスカ |
スコッチパイン |
最も固い |
|
中型種 |
イスカ |
マツ、トウヒ |
固い |
|
小型種 |
ナキイスカ |
カラマツ |
柔らかい |
|
飼育下でアオカワラヒワとの交雑例があるが、 交雑で生まれた個体の嘴は交差しない。 |
オオハシ |
ハニカム構造といって、蜂の巣のように六角形の孔が並んだ構造となっているので、軽くて丈夫。 嘴の重さは13.5g |
嘴は体の表面積の30〜50%を占め、鳥類最大。 嘴の血管網への血流量を調節でき、暑くなると放熱する。 |
|
シメ |
嘴にかかる力は50kg 1cuあたり14kgの破砕圧力を出す。 人がリンゴをかじる力に相当。 顎の筋肉が発達しているので頭も大きい。 |
ツノメドリ類 |
上嘴と舌が釘状の突起で縁取られている。 一度にたくさんの魚をくわえることが可能。 62匹の記録もある。 |
ハシマガリチドリ |
嘴が右に湾曲する個体が80%(12度)。 小石の下にいる虫を捕るのに役立つ。 石をどかすときに、上空を警戒できるので、天敵に襲われにくい。 |
ヤリハチドリ |
体長より長い10.5cmの長い嘴。 利用するトケイソウ属の一種の花は11.4cm |
ヨタカ |
嘴の長さは10mm、幅7mmと小さいが、 口は目の下まで深く切れ込んでいて、実際には4倍。 顔とほぼ同じ大きさまで口を開けることができる。 |
|
嘴の長さ |
嘴の重さ |
オニオオハシ (キツツキ目) |
全長の3
/ 1 |
体重の13
/ 1 |
シワコブサイチョウ (ブッポウソウ目) |
全長の4
/ 1 |
体重の13
/ 1 |
オナガサイチョウの嘴は重い。