海馬

  

 

空間記憶
餌を貯蔵する鳥は空間記憶が優れる。

 

貯食
貯食により冬の餌を確保し、同じ場所に周年留まることは、縄張の確立や番形成などの繁殖の上でも有利となる。
ヤマガラの研究では98%覚えていた。
北極圏に生息するスズメフクロウは、ネズミを貯食。
冬は氷点下なので腐らない。
貯食するスズメ目の海馬はしないものの約二倍。
記憶能力は貯食行動と関係して発達した。
コガラは貯食した餌を2〜3ヶ月かけて回収。
マツカケスは貯食種であるが海馬は小さい。
貯食しないセジロアカゲラ、セジロコゲラは貯食種と同じような大きさの海馬を持つ。
貯食と海馬体積の相関関係は全ての種で認められるわけではない。
アメリカコガラの海馬は10月に最も大きくなる。
貯食は餌がなくなる冬に備えるものであり、空間記憶が必要とされるのは秋である。
分散貯蔵
横取りされにくいので有利だが、高い記憶能力が必要。

 

海馬
記憶の固定化に一役買っている。
種子を貯食する性質を持つ鳥は、大きな海馬によって膨大な空間記憶を蓄積している。
カラス科、ゴジュウカラ科、シジュウカラ科。
アメリカコガラはトウヒの種子を5万ヶ所以上貯える。
回収するのは28日後以降。
アメリカコガラは冬に備えて秋に種子を貯える。
海馬の体積が30%大きくなり、春には再び小さくなる。
伝書鳩はカワラバトより海馬が発達。
托卵鳥では海馬を発達させたものもいる。
これは托卵できる相手がどこに巣を作っているのか記憶して、一定の条件を満たす巣に効率よく卵を産むため。
卵を産むメスだけが海馬を肥大させる。
托卵するコウウチョウでは、メスの海馬はオスより大きい。
海馬の年間変動は見られず、従って海馬の神経細胞の補充は神経細胞の生存率の増大である。

 

 

特に発達した鳥

背側海馬と腹側海馬が非常に良く発達し、大脳後部外套はほとんど海馬が占める。

エミュー

海馬が発達した鳥

ニワトリ、ウズラ、一部のハト、スズメ、カナリア、キンカチョウ、フクロウ、ハチドリ、ウ、レア、フルマカモメ

発達が悪い鳥

海馬の前部と後部が大脳内側に位置しており、背外側部の発達が悪い。

キウイ

 

空間記憶
餌を貯蔵する鳥は空間記憶が優れる。

 
 
 
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